Archive for 小説

駿河台の記者たち㊺

駿河台の記者たち[45]

長瀬千年・作

 

国会突入
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 その2日後は、新執行部の第1回中執会議である。〈新安保〉の自然成立から、まだほんの一週間。それなのに、これからの重点活動の中から〈反安保〉は消え、代わって〈学内問題〉が前面に押し出された。 Read more

駿河台の記者たち㊹

駿河台の記者たち[44]

長瀬千年・作

 

国会突入

14
 しかし、そのまま幕を下ろせないのが昼自治会だ。休講中の24日から2日間、予定されていた定期連合自治会総会が設定されていた。執行部の招集に応じ、各学部の自治委員130人が出席した。
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駿河台の記者たち[43]

長瀬千年・作

 

国会突入

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 夜が明けた5時ころ、再び中大教授らが7人、心配そうに様子を見に来た。5時半に座り込み体制が解かれ、一行は国会正門前へ。あちこちで紙くずを燃やす煙が上がっていた。冷えた体を温めているのだろう。
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駿河台の記者たち㊷

駿河台の記者たち[42]

長瀬千年・作

 

国会突入
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16日のアイゼンハワー米大統領の訪日は中止になったものの、国会周辺ではこれから、樺美智子の死を悼む抗議デモが続くことになる。安保闘争は、まだまだ終わっていない。
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駿河台の記者たち㊶

駿河台の記者たち[41]

長瀬千年・作

 

国会突入
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〈7時、ついにトラック1台を引きずり出し、東大、法政、中央、明治大の300人が構内へ突入。警官隊は狂ったように、学生たちを殴って蹴る。後ろから押されて引き下がれない学生たちは、無防備のまま、こん棒の雨に倒れて血を流す。みるみるうちに負傷者が増え、助けを求める悲鳴。その上を警官が踏んでいく。もはや肉と肉との激突だ〉
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駿河台の記者たち[40]

長瀬千年・作

 

国会突入

10
 この日の志郎の担当は、夜自治会の全学スト以降の取材。しかし、60年安保の最大のヤマ場だから、年齢を重ねた両親との日光見物行きを振り切ってきたのだ。志朗は罪滅ぼしの意味も込め、昼自治会主流派の国会デモも応援取材した。
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駿河台の記者たち[39]

長瀬千年・作

 

国会突入


 小腹を透かした志朗が、中野駅前の立ち食いそば屋に寄り、間借り部屋に着いたのは、もう夜十時だった。その少し前に戻ったらしい兄三津夫が言った。

「オヤジとオフクロ、あさって、東京見物に出て来るって、手紙が届いた」
「あっ、そう」
「お前、仕送り受けてるんだから、1日か2日、どこか案内してやれ」
「いいけど…」
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駿河台の記者たち[38]

長瀬千年・作

 

国会突入

 そのころ、中大と同じように〈客観報道〉を旨としていたのは、東京大と明治大。2紙とも週に一回発行の週刊紙で、東京大学新聞は近辺の書店でも売っていた。これらの大学新聞は、いずれ日刊紙の記者になりたいと願い、大新聞に倣って活動していたとも言える。
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駿河台の記者たち[37]

長瀬千年・作

 

国会突入

 そんな矢先の7日と8日、夜自治会の定期自治委員総会が開かれた。志郎が山田委員長に尋ねた。
「どうして、こんな時期に?」
「昨年末の総会で決まっていた日程だから、仕方ないのさ」
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駿河台の記者たち㊱

駿河台の記者たち[36]

長瀬千年・作

 

国会突入


 一方、昼自治会反主流派も400人を動員。全学連反主流派の学生と国民会議の統一行動に参加したあと、主流派と同じ東京駅南口で仮眠するハプニングも。反主流派は午前4時から、そのまま八重洲口入り口で座り込みに入り、乗客らに国鉄ストへの協力を呼びかけた。
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