駿河台の記者たち㊹

駿河台の記者たち[44]

長瀬千年・作

 

国会突入

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 しかし、そのまま幕を下ろせないのが昼自治会だ。休講中の24日から2日間、予定されていた定期連合自治会総会が設定されていた。執行部の招集に応じ、各学部の自治委員130人が出席した。

 初日の活動総括は、もっぱら安保闘争に集中した。全学連主流派の路線を取る執行部は、次のように総括した。
 ①1・18羽田闘争(ハガチー事件)は輝かしい成果をあげ、中大生の多くの支持を得た。

 ②4~5月の闘争で、反主流派のお焼香デモは「安保批准阻止」とほど遠く、我々の「国会正面デモ」こそ力となり得た。
 ③6・18(新安保の自然成立日)は本学から4千500人を動員でき、我々の方針の正しさを示したーなどと提案した。

 質疑応答・討論に入ると、反主流派から緊急動議として、総括に対する対案が出された。
「本部の総括に、対案はありえない」
と執行部は息巻いた。
 しかし議長が対案を認めたため、議場はマイクを奪い合う事態に。ついに議長不信任案が出され、新議長団が本部総括の採決を取ると、辛うじて62対56で可決された。

 2日目も午後1時に開会。前日に続き混乱は続く。執行部の〈取り巻く情勢案〉に対し、再び反主流派が対案を提出。双方で激しい議論の応酬のあと、採決に入った。

 すると、執行部案も対案もいずれも否決される事態となった。議場を閉鎖し、出席委員数を再確認。改めて採決して、ようやく執行部案が3票差で可決となった。

 この時、すでに午後九時すぎ。議事を早く進めるため大錦委員長が、運動方針案「全学連主流派路線の踏襲」を、ごく簡略に示した。

 これに対し反主流派は修正案として「独占資本と反動的な政治の支配を打ち破り、真の全人格的学問を勝ち取るため、今こそ学生運動は労働者と共闘しなければならない」と主張した。

 さらに時間節約のため、討論抜きの採決になった。すると執行部案は否決され、修正案が賛成多数で可決された。主流派・執行部の”敗北”は、それだけでは収まらなかった。

 続く役員改選の中央執行委員選出でも、大錦ら現執行部はことごとく落選。反主流派が大きく過半数を制した。しかも、この〈主流・反主流〉の身内争いの間隙を縫って、定員43人中、保守派(スポーツ・生協系)が倍増の11人を得た。

 さらに三役の選出では、主流派が対立候補のないまま、新委員長に前中執の三津端彬らが独占した。この時、時計は11時45分。議事はあわただしく終了し、終電を逃すまいと、全員が御茶ノ水駅へ走った。

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