駿河台の記者たち㊱

駿河台の記者たち[36]

長瀬千年・作

 

国会突入


 一方、昼自治会反主流派も400人を動員。全学連反主流派の学生と国民会議の統一行動に参加したあと、主流派と同じ東京駅南口で仮眠するハプニングも。反主流派は午前4時から、そのまま八重洲口入り口で座り込みに入り、乗客らに国鉄ストへの協力を呼びかけた。

 さらに夜自治会の900人は、3日午後8時から、国鉄労働会館前で夜学連決起集会に参加。支援先の国鉄品川駅構内で仮眠し、午前4時のスト突入時から改札口でピケを張った。早朝に現場で、国労から「国鉄と東武(電車)とも、始発から完全にストップ」の情報が流れると、学生たちから歓声が上がった。

 総評と中立系労組の6・4時限ゼネストには、全国で460万人の組合員が参加。国鉄は始発時から午前7時ころまでに、全国で戦後最大の757本が運休した。早朝の交通はマヒしたが、郵便や電話を含めて利用者が事前に理解していたため、混乱も事故も生じなかった。

 中大ではこの日、法学部教員ら有志194人が、「国会の正常化」「議会主義擁護」の理念と衆院解散を求め、声明を発表した。中大新聞は6月15日付1面トップで、「民主主義擁護へ教員立つ」と、その全文を掲載。合わせて、賛同者全員の氏名を〈▽法学部(43人)○×▽…〉と学部ごとに網羅した。

 安保阻止闘争は、さらに混乱が続く。
 10日午後、アイゼンハワー大統領の訪日打ち合わせのため、羽田に到着したハガチー秘書が、空港入り口の弁天橋で労組員や学生デモ隊に取り囲まれた。

 乗用車を持ち上げられ、窓ガラスなどに損傷を受けたため、1時間後に米軍ヘリコプターで米大使館へ脱出する事態が起きた。しかしハガチー秘書は、その後の記者会見で「大統領の訪日は不変」とした。

 さらに安保改定阻止国民会議は、15日をヤマ場とする第18次統一行動を設定した。いよいよ決戦の場である。ここで社会党など野党や国民会議、全学連が岸内閣を退陣させ、新安保を反故にさせられるのか。

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