変化するモノレール 開業から16年…その内実は

特別なお計らいで中央大学の表示を作っていただいた

 多くの中大生が日頃から利用している多摩モノレール。この春から、CUD(カラーユニバーサルデザイン)認証を受けた車両用案内表示器を導入している。
その導入経緯や人にやさしい駅環境づくりについて、モノレールを運行する多摩都市モノレール㈱に取材した。

◆新しくなった車両用案内表示器

新しいデザインが採用されたのは、次の停車駅などを知らせる車内表示器と、先頭車両の行き先表示器だ。
 グラデーションなどの多彩な色表示が可能になり、色の識別が困難な人も見やすいよう配慮されている。さらに車内表示器には、これまでの日本語と英語表示に中国語と韓国語の2か国語が加わり、4か国語対応になった。
 なぜ案内表示デザインが一新されることになったのか。運輸部工務課の竹内明夫さんによると、もともと3色LED表示を用いていたが経年劣化が進み、機器の更新時期がきていた。検討の結果、現行タイプと同じサイズのフルカラー表示器を採用することになり、細かい打ち合わせの中で様々な工夫が生まれていったという。
 CUDマークの表示は、一定の要件を満たした製品や施設などに対し、カラーユニバーサルデザイン機構により許諾される。鉄道車両用表示器への認証は多摩モノレールが日本初となる。
 今回の一連のデザイン一新について、利用客から反響はあったのだろうか。
 意外にも、良い反応はなかなか届きづらいそうだ。画面に対しては「見やすくなった」という声も聞かれるというが、中には、多言語表示により日本語に切り替わるタイミングが遅くなったという指摘もあったという。
 さまざまな声を受けとめながら、誰もが利用しやすい鉄道を目指して、多摩モノレールでは日々車内環境の改善が行われている。
例えば車内の空調に関する要望に対しては、車両の改修に合わせて、夏場に車内の空気を滞留させないように送風機を増設することや、ヒーターが一部設置されていなかった場所には増設をして、冬場の寒さに備えるなどの取り組みが行われている。
総務部総務課の杉山美香さんは「社内には、お客様サービスを向上させようという目標が常にあり、お客様のニーズになるべくお応えできるようにしていきたいと思っています」と話す。

◆多摩産材を使用したベンチ

他社線に接続する主要な駅や、利用者の多い駅の構内では、待合ベンチが多摩産材を使用したものに変わった。
開業から15年以上が経ち、ベンチ自体が傷んできていたため昨年改修が行われた。生まれ変わったベンチは、木のぬくもりが感じられる素敵なデザインが印象的だ。
 最初に桜街道駅でスギを使用したベンチを試験運用したが、柔らかい材質のスギでは傷がつきやすいことが判明。その結果を受け、ほかの駅のベンチにはヒノキの木を使用している。さらに、座り心地が良くなるよう、椅子に角度をつけるように工夫したという。
 運輸部工務課の日高敬史さんが「ぜひ注目してほしい」と語るのは、背もたれ部分に彫られているロゴだ。これはアートディレクター兼デザイナーとして活躍する橋本祐治氏がデザインしたもので、可愛らしい小鳥がアクセントになっている。
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 「神は細部に宿る」という言葉がある。普段は何気なく利用している駅や車両だが、そこには「安心・快適を提供したい」という多摩都市モノレール㈱の皆さんのこだわりと思いやりが詰まっている。その思いを受け止めると共に、すべての人が快適にモノレールを利用できるよう、我々利用者側もマナーを守った利用を心掛けたい。

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