岸田外務大臣講演会

講演会の様子。
新入生だけでなく、他学年の生徒も集まり、岸田外相の言葉へ耳を傾けた。


 去る5月26日、辞達学会(弁論部)の主催による新入生歓迎会が催され、講師として現外務大臣を務める岸田文雄衆議院議員が招かれた。講演会のテーマは「日本の外交について」。早朝にもかかわらず、100人ほどの学生が集まった。講演では外務大臣の仕事の大変さ、何カ国もの国に訪問していること、最後に一国の力では平和や繁栄を守れないという事を認識するべきであると述べた。

 ひと通り講演が終わり、質疑応答の時間が取られた。以下は学生による質問と岸田外務大臣の応答である。

―岸田外務大臣は集団的自衛権の行使について慎重な立場だったが、今はほかの人と足並みを揃えて行使賛成派になったのはなぜか。
 「私としては個人的にそういった発言をしたことはありません。日本でいろいろ議論が行われており、とても良いことだと思います。今日本の安全保障は難しい状況にあります。サイバー攻撃や宇宙からの攻撃も行われるようになりました。日本政府としては国民を守る必要があります。その中で安全保障の法的基盤を見直す必要があり、是非多くの皆さんに意見を訴えてもらい、しっかりと結論を出したいと思います」
―尖閣諸島について中国と対立しており、同一の事例としてロシアとの北方領土問題、韓国との竹島問題があり、最近では中国機の急接近もあった。こういった状況の中で日本からのアクションも必要ではないか。日本として対話はもちろんアクションを起こす事はあるのか。
 「尖閣諸島は日本の領土であり、実効支配されており領土問題はないと認識しています。ですが、不測の事態への備えは必要です。オバマ大統領は先日尖閣諸島も日米安保条約の範囲内と述べておりました。もちろん我が国としても尖閣諸島を守っていく必要があると思います。南シナ海でも動きがあり、こうした問題は国際法の法秩序の基に解決するべきであると思います」
―中国と韓国との関係を考える際、安倍首相の靖国神社参拝についてどうお考えか。
 「この件に関して安倍総理は談話を発表しており、国のリーダーとして国の為に命を犠牲にされた方々に、尊崇の念を込めて参拝したと述べています。国際社会からはさまざまな見方がなされています。しかし、靖国神社には日清戦争や日露戦争などで亡くなられた方々も祭られております。そうしたことを説明して、安倍首相がどういった意図をもって参拝したのかという事を各国に理解してもらい、外交問題にならないようにしたいと思います」

 また、講演会後に、小紙から岸田外務大臣に直接取材を行うことができた。その内容は以下の通りである。

―ベトナムと中国の関係が険悪化するなどアジアの情勢が緊張状態にあるが、その状況で日本としての役割とは何か。
 「日本は戦後60年間、経済発展の為にたくさんの努力をしてきました。海外における公海の自由は共有財産ですので、守っていきたいです」
―集団的自衛権を行使できるようにするのはあくまで友好国に協力するためであって、侵略戦争に参加するためではないという考え方でよいのか。
 「集団的自衛権は他国を守ることではなく、あくまで自国を守るための権利であり、自分を守る事が目的です。従って他国の戦争に協力するための権利ではありません。こういった誤解が起こる一因としては、集団的自衛権行使についての議論と共に集団的安全保障やPKOの議論がごちゃまぜになって行われていることが挙げられます。集団的安全保障の議論とは、例えば国際連合が他国の争いを止めるために武力行使を決定した場合に日本も参加するのか、といったことです。誤解をなくすためにも、集団的自衛権の本質をとらえた議論をすることが大切だと思います。」
―中央大学の学生に対しメッセージをお願いします。
 「中央大学は歴史と伝統ある学校であり、これからも日本の発展のために寄与するものと期待しています。日本を取り巻く状況は変化してきています。そういった状況の中で世界に目を向けて活躍してほしいと思います」

 今回の講演では外務大臣の仕事について見分を深めることができた。加えて話題の集団的自衛権についての話を聞くこともでき、学生にとって非常に有意義な講演会だった。皆さんもこれを機会に日本の未来を担うものとして、日本の外交について積極的に調べてみる必要があるだろう。

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