第4回 中大OB・OG訪問記 中央大学 文学部教授 保健科学研究所所長 藤井 輝明氏

藤井輝明(ふじいてるあき)氏
【ご略歴】 1957年、東京都生まれ。保健科学研究所所長、日本健康医学会学術評議員。中央大学経済学部、千葉県立衛生短期大学第一看護学科卒業。筑波大学大学院修士課程、名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了のち医学博士。現在は中央大学保健体育研究所客員研究員として教鞭(非常勤)を執っている。現在は顔に病気や傷のある方々の偏見を無くすため活動している。

 各所でご活躍されている中央大学の先輩方を訪問し、様々なお話を伺う「OB・OG訪問記」。

 第四弾の今回は、文学部で教鞭を執る傍ら保健科学研究所所長を務める、医学博士の藤井輝明氏にお話を伺った。

 二歳で発症した「容貌障害」と戦い、中央大学経済学部を卒業してからは公益法人で事務官を務め、のちに修士号と博士号とを修めた藤井氏は「生きることは楽しいことだ」という。その原動力はどこにあるのか、お話を伺った。

―右目の大きな「痣」について
「これは、『海綿状血管腫』という病気で、私が二歳の時に発症しました。小さい時から、この痣のお蔭で今までたくさんのいじめを受けてきましたし、今でも視線を集めます。昔は本当に嫌で嫌でどうしようもなかったです。人前に立つこと自体が嫌でしたよ、なにせいじめと差別の対象になりますしね。ただし、今はもう嫌ではありません、むしろ好きです。この痣のお蔭で、たくさんの素敵な出会いがあり、そして私の人生があったのです。もしも無かったら、私は今頃社会の端っこでひっそりと暮らしていたと思いますから感謝しています」

―著書「笑顔で生きる」の中にある藤井式コーチングとは
「平たく言えば、出来ない理由を考えるのではなくて、出来る理由を考えてみようというものです。そのためには自信が必要ですよね。では、自信をつけるために必要なものは何か。それは単に『学び』であります。学んで学んで学びぬくことで人は自信を手に入れられる、私はそう考えていますし、私も実際にそうでした。学びは人を育てます」

―経済学部卒業にも拘わらず、「医学博士」とは
「右目にある『痣』のため、学部卒業後に就職活動をするも、君のようなバケモノが居てはと、受けた五十社以上のうち一社以外は全て落ちてしまいました。そんな失意の中で、ある先生の講演会を聞きに行くと、その講演会の後にその先生に呼ばれて『君のような人間こそが学業に邁進して病気に苦しむ人を救わねばならない』というのです。そうしてその先生が理事長を務める国立公益法人の事務官として採用されました。その後、自身が携わる分野の勉強をしようと思い千葉県立衛生短期大学を卒業し、筑波大学大学院へ進学、更にそこで教授から関心を寄せて貰い、名古屋大学大学院で博士号を修めました。数奇なもので、人との出会いによって医学博士号を修めたのです。今はこの名札のお蔭で、私と同じように容貌障がいで苦しむ方々の力になれるように、研究チームを組んで治療法を模索したり、直接お会いして話をお伺いすることでメンタル面でのケアをしたりしていますね」

―他にも行政書士などの資格をお持ちとのことだが
「はい、いろいろな資格を持っています。いわゆる『資格マニア』に当たるのではないでしょうか(笑)。というのも、自分が努力した結果が目に見える形で現れるのが資格だと考えています。資格は持っていて損はありませんし、思わぬところで大いに役に立つことがあります。尤も、私の場合は仕事柄必要なものが沢山ありました。その中の一つが行政書士の資格で、私は先述の通り、国立公益法人で働いていたので、役所との仕事が多々ありました。それで行政書士の資格があれば仕事の幅が広がると考えたため資格の勉強をした、という次第です」

―「若者」に一言
「自分が今置かれている状況を素晴らしいと思ってください。「こんな筈ではなかった」と下を向いて嘆く人間は、どこに行ったとしても下しか見ません。そしてその中でも、上の地位に上り詰めて欲しいですね。これは変な意味では無くて、やはりそれなりの地位にいる方々というのは話す内容や質が違います。そういう環境で自身を磨くことはとても幸せなことだと思います。また、資格をたくさん取ってほしいと思います。資格はその人の価値を上げるものであり、間違いなく役に立ちます。自分の身の振り方を迷っている人が居たら、迷うことなく資格を取ってください。きっとそれは貴方の人生の潤滑油になることでしょう」

―中大生に一言
「中央大学は本当に素晴らしい大学です。私が担当する授業の『大学生活の送り方』という授業の中でも紹介しましたが、OBやOGには、有名企業の社長や、政治家、スポーツ選手に、音楽プロデューサーなど各分野でご活躍なさる偉大な方々が多くいらっしゃいます。そういった方々を見てもわかるように、この大学に入ったことで無限の選択肢が与えられたのです。しかし、その選択肢から一つを選ぶのは自分ですし、狭めるのも自分自身です。私自身も、この素敵な大学に入れたことを誇りに思うと同時に、偉大な先輩方同様、日々勉学に励んでいって欲しいと思います」     

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