10月29日、本学は理事会を開き、久野修慈氏の理事長職からの解任を賛成多数で議決し、新たな理事長として足立直樹理事を選任した。
今回、理事長解任のきっかけとなったのは、本年度の中央大学横浜山手中学校の入学試験において、合格基準に達していなかった受験生1名を特別に合格とした事案である。この際、久野氏が本学学員を通じて紹介のあった当該受験生の氏名を、合否判定責任者たる中学校長に対して、複数回伝えていた事が明らかとなっている。後に当該受験生の合格判定は、取り消される事となった。
これを受けて理事会は第三者委員会を設置し、調査を進めた。9月24日には理事会が久野氏の関与責任と福原総長の管理責任とを認め、報酬の一部返納を求める勧告を出している。これは久野氏にも受け入れられたのだが、10月9日の理事会における理事長解任動議は、久野氏が理事会の議長であることから採決に至らなかった。またこの間、本学全学部、全専門職大学院の教授会においても、久野氏の退任を求める決議が出された。こうした経緯を経て、久野氏の解任決議が採択されるに至ったのである。
理事長解任の理由について本学は、「久野氏が入試不正事案に関与したにもかかわらず、その責任を認めず、中央大学理事会をはじめ学園全体の運営を混乱させたため」と説明した。
こうした事件は、「法科の中央」として名を知られる本学の名声に、大きく傷をつけるものである。大学には再発防止に、全力で努めて貰いたい。(啓)