11月4日、白門祭期間中の中央大学にて民主党参議院議員である蓮舫氏の講演会が開催された。テーマは「現在を担う国会議員が語る!将来を担う中大生へのメッセージ」である。蓮舫氏は時にユーモアも交えながら様々な資料を映し出して熱心に説明、講演時間をぎりぎりまで使う濃密な内容であった。
<講演概略>
・政治の体制について
「政権交代から三年がたった。八年経験した野党議員時代から、情報公開がなされない状況は問題だと考えていた。唯一の予算編成権をもつ政府が、つまり与党が情報開示をしてくれないと、監査人としての野党は機能しえない。その中で、『消えた年金問題』からもわかるように、自分たちに不都合な情報を隠ぺいしている体制は、変えていかねばならない」
・事業仕分けについて
「五千を超える事業に関して、皆さんの納めた税金が何に使われているのかということが、国によって開示されたのは今回が初めてだ。演出だと仰る方もいるが、仕分けをする一時間のために、相当の準備をしている。敢えて公の場において仕分けをすることで、皆さんと情報を共有しようということで始めた。たとえばここでは、宝くじ事業を挙げてみたい。
この事業に対しては税金は使われていないものの、社会通念上から問題ありとされる事案が起きれば、総務省管轄のもとで指導を受けるようになっている。先述のように宝くじ事業の活動に際しては税金が使われていないことから、公な情報開示もなされてはいないのだが、事業活動に関連してある不審点が存在した。それが「普及宣伝費」であり、これは総務省所管となっている二つの公益財団法人を通して、広告代理店などに支払われているものだ。しかし、二百億近くのお金を使いながら、三割に満たないリピーターしか確保出来ていない現状がある。それなのに、何故こうしたことを行なっているのかと言えば、答えは総務省職員の天下り先確保のため、である。その他多くの団体も、このように各種省庁からの天下り先となっているのだ」
・公益法人仕分けについて
「あまりにも当時の体制に問題があったため、事業そのものではなく公益法人も仕分けしようとなった。たとえば、たった一つの団体が、年間で八千キロの林道を整備するために二億円弱のお金を使っている。これに疑問を抱いたため職員一人一人を確認してみたところ、農林水産省の天下り先となっていることが分かった。そのため最終的には競売にかけて、もっとミクロな視点で業務を行ってくれる団体に当該法人を売却し、三千万円を超える削減ができた。『民』で出来ることは『民』でやればいいのである」
・行政改革について
「公務員の仕事は、企画と立案だ。税金を使って何ができるかということを考えるべきであって、前時代的考えからは脱却しなければならない。それができてこその行政改革だと思う。税金の使途についても、何に誰がどの位を使ったのか、公開していかねばならないだろう」
・「政治」というものの位置づけについて
「家庭の中で、気軽に政治の話ができるようになればいいと思う。政治の話をすることは恰好悪いことではないのだから、様々な人と積極的に政治の話をして欲しい」
・大学生に向けて一言
「就職氷河期にあることは確かだが、自分の人生なのだから、ネーミングやブランドに引きずられずに決めてほしい。どこで働くのが自分にとって幸せなのか。それを考えながら、頑張ってほしいと思う」 (蓮)