波紋(1233号)

 今年もまた、暑い夏がやって来た。世間には様々な夏の風物詩が存在するが、中央大学在学生にとってのそれはオープンキャンパスであろう◆あんな時代が自分にもあったなあ…。そんな思いで来場者の高校生たちを見ている訳ではあるが、私もついこの前までその一員だったのだ。その事を考えればまさに光陰矢の如しであるが、彼らの胸には当時の私のように、様々な夢が膨らんでいる事だろう◆「夢はあくまで夢に過ぎない」。これが座右の銘になりつつある最近の私だが、夢や希望が無ければ生きていけないのが我々人間だ。しかし現代の社会に、そのようなものがあると言えようか。政治や経済の混乱は諦めるとしても、十代のいじめがここまで凄惨を極めるようになっては世も末だ。「希望が無ければ何事も成就するものでは無い」とは、ヘレン・ケラーの言葉である
◆こんな年寄りの様な事を口うるさく言う面倒な性格の私にも、隣に寄り添ってくれる彼女がいる。この、夢に溢れる十代の女性に感化されたのか、最近は私まで生き生きしていると言われるようになった。夢や希望が与えてくれる力というものは、やはり偉大である◆え?そんな惚気は聞きたくないって?それじゃあ、ここらで筆を擱こう。そして、夏の風物詩であるビアガーデンにでも行って来よう。あ、モチロン、彼女と二人でね

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