中央大学総長・学長福原紀彦 新入生諸君へお祝いの言葉

 入学おめでとうございます。皆さんの大学入学に向けての努力と健闘を讃えるとともに、中央大学への入学をお祝い申し上げ、関係者一同、心から歓迎致します。

 皆さんが入学した日本の大学では、今、社会の国際化に伴うグローバル化が進むとともに、知識基盤社会への移行や大学進学率の上昇に伴うユニバーサル化が急激に進んでいます。そして、東日本大震災に伴う困難をはじめ、さまざまな課題が生起するなかで、大学は、社会を生き抜く力を養成し、未来への飛躍を実現する人材を養成することが求められています。そういうときであればこそ、確固たる建学の理念のもとに、皆さんの資質と能力を磨き高めることのできる中央大学の学修環境を、思う存分に活用して戴きたいと思います。

 皆さんが入学した中央大学は、一八八五年に英吉利法律学校として創設され、「白門」を象徴とする一二七年の伝統のなかで総合大学として発展し、「實地應用ノ素ヲ養フ」との建学の精神を現代社会に実践することを使命としています。このことは、多様な学問研究と幅広い実践的な教育を通して「行動する知性。―Knowledge into Action―」を育むという本学のユニバーシティ・メッセージとしても受け継がれています。

 皆さんは、入学試験はもとより、いろいろな試験を経てきたと思いますが、努力して獲得した知識や技能というものが体系化・普遍化され、どんな場面で役に立つかがわかった時、それらは知性に変わることになるのです。そして、知識を知性に変える様々な仕掛けを持っているのが大学というところです。
 昔から、大学では「よき師、よき友、よき書物」と巡り会えると言われてきました。今日に置き換えていうなら、大学では、様々な国籍や年代、専門領域が違う教員、日本各地から世界各国から集う様々なバックグラウンドを持った友人、専門から教養に至る書物やネット情報などの知的財産と巡り会うことができ、それらが皆さんのさまざまな可能性を示唆し引き出してくれることでしょう。そして、知識が知性に変わり、大学で身に付けた知性が自分だけのものでなく、人のため、公共のためのものだということも知ることになるでしょう。知性が公共のものだと知ると、それを社会のために生かそうという「志」ができてくるはずです。「人の器は、物差しではなく、志で測れ」という言葉もありますが、「志」が生まれたとき、知性は眠ったままの知識ではなく、「行動する知性」となるのだと思います。
 大学在学中に巡り会う人間関係やさまざまな機会を大切にして、有意義な学生生活を元気に過ごして下さい。皆さんのご健康とご活躍を心から祈念して、お祝いのご挨拶と致します。

総長・学長 福原 紀彦(ふくはら ただひこ)

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