波紋(1230・1231合併号)

 そろそろ季節も冬本番だが、読者諸兄は如何お過ごしだろう。冬の後には暖かな春が、出番は今かと待っている。しかし世界の中には、既に春が訪れている場所もあるようだ。そう、アラブ地域である◆一連の「アラブの春」により、中東では多くの国家が動揺した。それまでは不動の権力を誇っていた為政者が、あっという間に犯罪者扱いされることに。逮捕されるならまだ良い方で、中東の狂犬と呼ばれたカダフィ大佐のように、私裁される人まで出る始末だ◆反体制派を「ネズミ」と呼んだ当の本人が、最後はネズミよろしく排水溝で捕まったとは何という皮肉か。彼は彼なりに自己の幸福を最大化させようとしたが、現代社会の根幹をなす、他者危害禁止の原則を侵してしまったようである。我々は功利主義の世の中に生きているが、何事も程々が肝要なようだ。諺に言う、「過ぎたるは尚ほ及ばざるが如し」ということか◆過多も不足も戒められるべきという。では、生まれてこの方、一度も恋人が出来たことのない私は不足の塊か。「早い所、跡継ぎを」と望む我が一族の過激派に私裁されぬよう、私としても何とかしたいのは山々なのだが。先日も部内の女子に、それも、いま流行りの「ゆるふわガーリー」な女子に、「入部当初は、先輩のことをカッコイイって信奉してたんですけど、今は、ちょっと、ねえ…」と言われてしまいました。なんて可哀想な僕…◆開き直って、「恋人なんて要らないやいっ!春の代名詞たる桜のように、僕は潔く散る人生を送るんだから良いもんね」と言おうとして気づいたのは、そもそも咲かなきゃ「散る」ことも出来ない、と言うこと。こりゃどうも、参ったね。

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